ひとことで言うと、「首の骨や椎間板の変化によって、神経の枝(神経根)が圧迫される病気」です。
首には7つの骨(頚椎)が積み重なっていて、その中を太い神経の束(脊髄)が通っています。脊髄からは、左右に細い神経(神経根)が何本も出ていて、そこからさらに末梢神経となって腕や手に信号を届けています。
道路に例えると、脊髄は高速道路、そこから神経根が出ていく部分(椎間孔)はインターチェンジ、その先の末梢神経は一般道です。この病気は、インターチェンジの部分で神経が圧迫される病気です。
年齢とともに骨の形が変わったり、クッション(椎間板)が変性・突出したりすると、このインターチェンジ(椎間孔)が狭くなり、そこを通る神経根が押されてしまいます。これが頚椎症性神経根症です。多くは片側の腕に症状が出ますが、複数の神経根が同時に圧迫されることもあります。また、脊髄の圧迫(脊髄症)を合併することもあり、これを脊髄神経根症(myeloradiculopathy)と呼びます。40代から60代の働き盛りの方に多い病気です。
図解|神経根が圧迫されるしくみ(首の骨を上から見た断面図)
「脊髄症」との違い
似た名前の病気に「頚椎症性脊髄症」があります。名前は似ていますが、まったく違う病気です。
神経根症(このページの病気):インターチェンジ(椎間孔)で神経根が押される。主に片方の腕に痛みやしびれが出る。多くは手術なしで良くなる。
脊髄症:高速道路そのもの(脊髄)が押される。両手・両足に症状が出て、箸が使いにくい、歩きにくいなどの症状が出る。進行すると手術が必要になることが多い。神経根症のほうが治りやすいという特徴があります。